Q & A
土木設計部
水道の計画に盛り込むべき事項としては、どのようなものがありますか?
水道の施設計画策定にあたり、水道システムをトータルシステムとして捉えたとき考慮すべき事項はどのようなものがありますか?
水道事業者が積極的に関与できる水道水源保全の法制度にはどのようなものがありますか?
小規模下水道の定義はありますか?
積算基準(歩掛)が確立されていない工法等を採用する場合の積算方法は、また、実績のない工法の採用は出来ますか?

[ 上 水 道 ]

1 水道の計画に盛り込むべき事項としては、どのようなものがありますか?
1 水道の計画の基本事項には、計画年次、計画給水区域、計画給水人口、計画給水量などがあります。各基本事項において留意する点は以下のとおりです。
[1] 計画年次は、将来予測の確実性、施設整備の合理性などを踏まえたうえで出来るだけ長期間を設定するのが望ましく、15〜20年を標準としています。
[2] 計画給水区域は、計画年次内に配水管を布設し、給水しようとする区域であり、区域設定に際しては、簡易水道の統合も含め、広域的な観点から設定することが望まれます。
[3] 計画給水人口は、計画給水区域内の常住人口をもとに、計画年次における推計人口に計画給水普及率を乗じて求めます。基本的には、自治体の長期計画などの上位計画に示された将来人口を基にするのが良いと思います。
[4] 計画給水量は、水道施設規模を決めるための基本事項であり、水道事業運営上の財政計画の基礎となるものです。計画給水量の算定は、可能な限り的確に行う必要があり、過去の用途別使用水量や同規模の他の事業体の実績等から推計します。但し、区画整理事業、開発行為等における計画給水量の算定においては、各自治体において開発指導要綱による原単位が設定されている例が多く注意が必要です。また、その原単位が必ずしも現実的な使用量ではないケースも多く見られます。
   

2 水道の施設計画策定にあたり、水道システムをトータルシステムとして捉えたとき考慮すべき事項はどのようなものがありますか?
2 計画策定にあたっては、種々検討すべき項目がありますが、トータルシステムをエネルギーの面から捉えると、水道で使われるエネルギーは、次に分類されます。

 ○ 水道管や設備の製作に必要なエネルギー
 ○ 施設建設に使われるエネルギー
 ○ システムを運用するためのエネルギー  等

これらのうち、施設建設などに必要なイニシャルエネルギーの中では、管路に関する物が圧倒的に大きくなり、運用すなわちランニングエネルギーでは、ポンプに使われるものが最大となります。
 このことから、可能な限り自然流下方式を取り入れ、ポンプ圧送部分を少なくするシステム構成とし、管路の口径やルートの計画においても、経済口径の採用、出来る限り短い距離で送配水が可能となるルートの選定が省エネルギー水道の計画につながります。
   

3 水道事業者が積極的に関与できる水道水源保全の法制度にはどのようなものがありますか?
3 水道水の水質は基準を超えるおそれがある場合、水道水源保全の法制度の「水道原水法」あるいは「特別措置法」の申請により、水道原水の水質保全事業を促進し、水道原水の水質を向上させることができます。
[1] 水道原水法
(「水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律」)
 水道原水の水質保全に資する事業を水道の取水口の上流地域において集中的、計画的に推進するために平成6年に施行されました。
 この法律の目的は、安全かつ良質な水道水の供給を確保することであり、水道の保護立法とも言うべきもので、水道法の特例的なものとして位置づけられます。その内容は、安全かつ良質な水道水の供給を確保するためトリハロメタン対策に限らず、異臭味問題や合成洗剤問題なども対象とし、主として生活排水が原因となっている場合に有効な、下水道、屎尿処理施設、合併浄化槽などの整備や河川の直接浄化等の事業を促進するための仕組みについて定めたものです。
 この法律では、「水道原水の水質保全を図るための事業」として
・ 「地域水道原水水質保全事業」(下水道、農村集落排水施設、合併浄化槽などの施設を整備するための事業)
・ 「河川水道原水水質保全事業」(河川水質浄化施設、流水保全水路、浚渫などの事業)
を位置づけ、その促進をはかるものです。
[2] 「特別措置法」
(特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質保全に関する特別措置法)
 環境行政サイドは水道原水の水質保全に関し、この法律を平成6年に定めた。
 この法律は、国民の健康を保護するため、水質汚濁防止法、湖沼法等の従来の法制度では対応出来ないトリハロメタンを対象とし、新たに水質保全計画を策定し、公共用水域において必要な水質保全目標を設定することにより、水質保全に資する各種の事業、工場、事業場に対する規制措置等を総合的かつ計画的に講じる仕組みについて定めたものです。
   


[ 下 水 道 ]

4 小規模下水道の定義はありますか?
4 小規模下水道とは、一つの下水道計画区域における計画人口が、おおむね10,000人以下(目安)の下水道をいいます。
(社)日本下水道協会 「下水道施設計画・設計指針と解説 前編」 
(社)日本下水道協会 「小規模下水道計画・設計・維持管理指針と解説」 参考

公共下水道の場合は、下水道全体計画区域の計画人口で考えますが、流域関連公共下水道の場合は、流域へ接続する点、すなわち、各処理区事の全体計画人口で考えて良いと思いますが、流域下水道管理者に確認の上決定するべきでしょう。
   

5 積算基準(歩掛)が確立されていない工法等を採用する場合の積算方法は、また、実績のない工法の採用は出来ますか?
5 下水道工事の積算は、「下水道用設計標準歩掛表(国土交通省)」により積算するのが基準であり大半の工種はこれで積算出来ますが、推進工法、小型立坑などの新工法、また、沈埋工法等については積算出来ない場合があります。
   「下水道用設計標準歩掛表(国土交通省)」にない積算方法については、(社)日本下水道協会、(社)日本下水道管渠推進技術協会等により積算を行います。また、これらにも当てはまらない場合は、各工法協会の積算資料等により積算しますが、「下水道用設計標準歩掛表(国土交通省)」以外での積算については、歩掛に掛け率を入れて積算している発注例が多いです。
   尚、新工法等の採用、積算については、他都市での使用実績、積算方法等を調査し、工事発注後は、その使用実態について調査を行い、その結果を2回目以降の設計・積算歩掛に反映させ、より適切な積算となるよう注意する必要があります。
   新工法は、技術の進歩によるものですから、従来の工法より施工性が高く、コスト縮減が出来る場合が非常に高いものです。積算に根拠があれば恐れることなく、設計に取り入れて行くべきでしょう。
   
総合建設コンサルタント 株式会社オオバ東北支店